エキストラバージンオリーブオイルとは

オリーブオイルの分類は、International Olive Council:国際オリーブ理事会 (IOC/COI)*1 で、規定が定められています。

エキストラバージンオリーブオイルとは、溶剤などで抽出する化学的な手段ではなく、オリーブの実の洗浄・粉砕・撹拌・抽出・遠心分離・濾過を経て、機械的な物理的手段で得られたオイルがバージンオリーブオイルで、その内『理化学検査』と『官能検査(パネルテスト)』によって基準を満たしたものだけが、最高峰(最高品質)『エキストラバージンオリーブオイル』の認証を受けられるのです。

理化学検査

理化学検査とは、酸度0.8以下、過酸化物価20.0以下、紫外線吸収性(K232 2.50以下、K270 0.22以下、Delta K 0.01以下)をはじめとする細かな検査項目がたくさんあります。それぞれの項目で定められた厳しい数値基準をクリアする必要があります。

官能検査

官能検査とは、臭覚と味覚によりオリーブオイルの良いところと、悪いところ(欠陥)を判断、鑑定をされます。理化学検査でエキストラバージンの基準をクリアしても、人の感覚で悪いところがあれば、エキストラバージンの認証は受けられません。IOC規定の鑑定方法は、リーダーとなるパネルリーダーが熟練した鑑定士(英:テイスター、伊:アッサジャトーレ、スペイン:カタドール)8人から12人を集め、パネルルームにて鑑定が行われます。パネルルームでは、一人一人パーティションで仕切られ、正式なテイスティンググラス、オイルを温めるためのウォーマーや流しなど規定に従って鑑定がされます。鑑定は、嫌気性発酵臭、ヴィネガー臭、煮詰まった味、焦げた味などの欠陥があるかないかを鑑定し、次にフルーティーさ、苦味、辛味、オリーブオイルのバランスなど良いところを鑑定していきます。悪いところがなければ、『エキストラバージン』と認証されます。
正式な鑑定機関にて鑑定され、理化学検査 と官能検査*3の両方で認証されたオリーブオイルが、エキストラバージンオリーブオイルです。

高尾農園のポリシー

高尾農園では、国際基準に沿った品質での『Olive Oilづくり』が大切なことと考えています。毎年、搾ったオリーブオイルをイタリアの正式な検査機関( ONAOO*2)へ送り、国際基準International standardのエキストラバージンオリーブオイルであることの認証を受けています。

毎年、作業場と搾油場にオリーブの香りが立ちこめるのは、2ヶ月に満たない期間です。11月の終わりには『Olive Oilづくり』も終わり、そして『オリーブづくり』、『オリーブ畑の1年間』が始まります。

*1 International Olive Council:国際オリーブ理事会 (IOC/COI)

インターナショナル・オリーブ・カウンシル(International Olive Council/IOC)は、スペイン・マドリードに本部をおく、オリーブオイルとテ-ブルオリーブの国際協定を管理している政府間機構です。1959年、オリーブ栽培と生産の保護と開発のため、国際連合によって、国際オリーブオイル協会(International Olive Oil Council/IOOC)として設立されました。その後、2006年にインターナショナル・オリーブ・カウンシル(International Olive Council/IOC)に改名されました。
IOCは、オリーブ業界における唯一の国際的な機関として、オリーブオイルの品質や純度を定めた規格、オリーブオイルの取引基準や品質向上、キャンペーンやイベントなどを通じ、世界的な消費促進を図っています。
またIOCは、農業従事者のために、持続可能なオリーブ産業の発展に貢献している機構です。
https://www.internationaloliveoil.org/

*2 ONAOO(Organizzazione Nazionale Assaggiatori Olio di Oliva:イタリア国立オイル品質検査機構.)

The official Italian testing lab.
https://onaoo.it/

*3 IOC規定 理化学検査(ケミカルテスト)数値基準

GFSI承認ASIAGAP

高尾農園のオリーブづくりには、草刈や土づくり、摘みとりといった様々な農作業だけではなく、畑の土壌や周辺環境もオリーブをつくる重要なポイントです。安全で安心なオリーブづくりを行なっていくため、これらの生産工程や周辺環境の全てをしっかりと管理しています。ASIAGAP認証は、それらの食品安全や環境保全、労働安全などの持続可能性を確保するための取組であり、第三者機関の審査により認証が与えられます。適切に管理されている農場だから、安全・安心で信頼できる国際基準の農産物を提供すことができる証なのです。

日本国内におけるGAPには、都道府県が独自に定めたGAP※2)、JAグループのGAP、JGAP、国際レベルのASIAGAPがあります。高尾農園では2019年7月にJGAP認証を取得したころから国際基準のASIAGAP認証の取得を目指してきました。管理点はJGAPに比べ2倍以上に増えるとともに衛生管理(HACCP)などが加わります。そのような苦労も乗り越えながら2021年3月に国内では初めてとなる世界基準のASIAGAP(GFSI承認)認証を得ることが出来ました。ASIAGAPは、フランス・パリにある非営利団体GFSI(Global Food Safty Initiative)(※1)から承認を受けたGAP認証制度です。GFSIのベンチマーク要求事項にそった基準作成が求められるため、食品安全の要素の中にHACCPをベースとした考え方、食品防御や食品偽装防止が含まれています。また、GFSIのベンチマーク要求事項にそったやり方で審査(BⅠ、BⅢ)が行われます。国際基準のGAP認証は世界で取得する動きが広がっており、高尾農園のオリーブ畑もその世界の仲間入りすることが出来ました。

小さな苗を植える前からオリーブの樹を育て、摘みとりし選果まで全ての農作業工程が国際基準認証を得たことで、これまで国際基準を満たしてきたオリーブオイルを採油するオリーブ果実も国際基準の果実となりました。気を抜くことなく手を抜くこともなく最高品質のオリーブづくり、最高峰のオリーブオイルづくりを行なっいます。

(※1) GFSI(Global Food Safety Initiative:世界食品安全イニシアティブ)は、世界中の消費者に安全な食品を届ける上で、確かな信頼を築くため食品安全マネジメントシステムの継続的改善を図ることを目的に、世界に展開する食品関連企業・団体が参加する非営利団体です。主な活動の一つに、食品安全認証プログラムの承認があります。
GFSIのウェブサイト https://mygfsi.com/
(※2) GAPとは、「Good Agricultural Practice」の頭文字をとった言葉で、「良い農業の取り組み(やり方)」と言う意味です。GAPは、農業に従事するにあたって、農産物の安全性ではなく、環境保全を目指した農業や、作業者に対する適切な労働管理など、農業活動全般においての取り組みを指しています。