新鮮な驚き!自家製オリーブの塩漬け

風味とオイルのハーモニーの驚き

オリーブ果実の中には、「オリュロペイン」という苦味があって、そのままでは生では食べることができません。
しかし、この苦味をとったオリーブ果実は、品種それぞれオリーブ独特の風味と含まれるオリーブオイルのハーモニーがあります。
「オリーブ塩水漬けと恋の味は、一度味わえば忘れられぬ」と言われているほど美味しいものです。
ご家庭でも是非、テーブルオリーブの一つ、オリーブの塩漬けを作ってみてください。

用意するもの

■オリーブの果実 200g
傷があるものや青すぎるものを除き計量します。(青すぎるものは渋が脱けずガリガリで食べらません)
■ 苛性ソーダ 4グラム弱~4グラム
■ 塩 20グラム弱
■ キッチン用ゴム手袋とマスク
■ 容器(写真)
できれば透明に近いもの
■ 落としぶた(空き瓶などでも可)
苛性ソーダを使うので容器と落し蓋は金属製のものは絶対に使用しないでください。ポリバケツやガラス容器を使用してください。
■ スプーン、箸(金属製やプラスチック製)、計量器

作り方

オリーブの塩水漬けを作るのに要するのは約一週間。毎日少しづつ手をかけて美味しい塩漬けを作ってください。

I. 渋を抜きます

<1~2日目の作業>

  1. オリーブ果実を選別し、計量します。
  2. 果実に傷がつかないよう軽く水洗いをします。
  3. 容器に果実と同量の水を入れ、苛性ソーダ液(※)を作ります。
  4. オリーブ果実が傷つかないように容器に入れます。
  5. 苛性ソーダ液をゆっくりとオリーブ果実の入った容器に注ぎいれます。苛性ソーダ液が手についたり、飛び散らないよう充分注意してください。
  1. 果実が浮き上がらないように落としぶたをして、8~15時間漬けこみます。このとき、容器に水面の位置をマークしておくとのちの計量に便利です。
  2. 容器はシンクの下など安定した場所に置きます。容器の転倒など充分注意してください。
※ 苛性ソーダ液の作り方

i)  苛性ソーダ液の量は、オリーブ果実の容量(重さ)と同量(オリーブ果実が1kg=液量1リットル)です。危険を伴いますので、マスクを着用の上、必ずゴム手袋をしてください。
ii)  容器に水を注ぎます。
iii) 容器に苛性ソーダを飛び散らいように入れ、スプーンで静かに攪拌します。
このとき泡と一緒に熱を発しますのでご注意ください。
◆ 苛性ソーダ液は、渋抜きを始める数時間前(3~6時間)につくってください。反応がおさまるまで3~6時間かかります。
◆ オリーブの種類によって苛性ソーダ溶液の濃度は異なります。
  ・マンザニロ種 1.8%の苛性ソーダ液(水200ccに対し苛性ソーダ3.6グラム)
  ・ミッション種 2.0%の苛性ソーダ液(水200ccに対し苛性ソーダ4グラム)
◆ 渋抜き時間の目安(果実の成熟が進んでいると渋抜きの時間も短い)
  ・ミッション種 8~12時間
  ・マンザニロ種 10~15時間

II. 渋を捨て、水洗いをします

<2~3日目>

  1. 容器を取り出します。
  2. 果実を1粒取り出し、半分に切って渋の脱け具合を確認チェックします。
  1. 下1番右の写真左のように果肉の中まで色が変わったら渋抜き完了。
    ※ このとき大きい果実と小さい果実など、数個みてみましょう。果実の大きさにより、渋の脱け具合が違ってきます。
  1. 渋がじゅうぶんに脱けたら黒い液を捨てます。
  2. 水替えをします。果実が空気に触れると色が黒ずむので、落としぶたをしたまま水を注ぎいれます。
    ※ このとき気泡が立たないぎりぎりの水量になるように水の量を調節してください。泡を立てても果実が黒ずむので注意が必要です。1日3回(朝、昼、夕方)2~3日行い、苛性ソーダ分をしっかり抜きます。
  • 落としぶたをしたままホースの先端を容器の底に沈め、濁った水を溢れさせるようにして交換する方法もあります。
  • オリーブの渋抜きには苛性ソーダ(水酸化ナトリウム、食品添加物用)を用います。渋抜き後の廃液は、アルカリ性が大変強く、渋抜き後の廃液をそのまま流すと河川を汚し、環境に大きな影響を与えます。廃液は必ず中和してから流してください。

VI. 塩水に漬けます

<4~5日目>

黒い水が出なくなったら、水替えの要領で6でつけたマークまで真水を入れ、1%の濃度になるよう塩を加えてそのまま漬けこみます。

V. 水換えをし、塩水に漬けます

<5日目以降>

翌日、水が濁っていたら、水替えをして再び1%の塩水で漬けこみます。

IV. できあがり!

水が澄んでいたら、その後1日1%ずつ塩分を上げていきます。3%が一番美味しい塩分濃度ですが、長期保存したい場合は5~10%まで上げていき、冷蔵庫で保存します。2~3日後から食べられるようになります。

☆ おいしいオリーブの塩水漬け日にちの目安
1日目 朝:苛性ソーダを水に溶く 昼:収穫 夕方~夜:苛性ソーダ液にオリーブの果実をつける
2日目 朝:水洗い 昼:水洗い 夕:水洗い
3日目 朝:水洗い 昼:水洗い 夕:水洗い
4日目 朝:水洗い 昼:水洗い 夕:水洗い 1%塩水に漬けまぜる
5日目 夕:2%塩水に漬けまぜる
6日目 夕:3%塩水に漬けまぜる
7日目 夕:4%塩水に漬けまぜる

オリーブ塩水漬けの保存

保存期間と塩水濃度の目安
短期貯蔵 3~4%  (12月まで)
中期貯蔵 6%    (翌年2月まで)
長期貯蔵 8%~10% (翌年4月まで)
それぞれ冷蔵庫にて保存し、時々塩水を作り替えつけ直してください。
塩分の目安として海水の塩分は約3%です。食べるとき、塩分が濃いようであれば好みの塩分まで水洗いします。
同じ濃度の塩水でも、温度が低いと塩からく、温度が高いとうすく感じる場合があります。

ご不明な点がありましたら、高尾農園までお問い合わせフォームにてお問合せください。

注意)
苛性ソーダは劇薬ですので、薬局で買う際は身分証明書と印鑑が必要になります。肌に触れると火傷を超すので、取り扱いは説明書に従い、マスクやゴム手袋などを準備し、充分注意して行ってください。また、渋を抜いた後の廃液の処分方法は薬局にご確認ください。絶対にご家庭の排水設備に流さないでください。
オリーブの塩漬けを作る際、苛性ソーダの取扱いや苛性ソーダが入った容器の転倒など発生する事故については高尾農園は一切責任を持てませんことをご了承ください。